【前編】日本で3番目のコワーキングスペース JUSO Coworkingオーナー深沢さんに聞く「コワーキングスペースとフリーランス」

「ナガタが話題のあの人に会ってきたよ」シリーズです

鹿児島にて活動するナガタが、話したい人のところにいって色々ノウハウを聞いて回る全国行脚インタビューです。
毎回無駄話にも花を咲かせ、企画目的も雑にお伝えするのに皆さん優しく迎えてくれる、ナガタ愛されインタビューです。

第3弾ゲストはこの方! JUSO Coworkingオーナー、水交デザインオフィスの深沢さん

IMG_1790

1979年、奈良県生駒市生まれ。2006年まで演劇活動と音楽活動に明け暮れながら、独学でウェブ制作・各種デザインを始める。2009年に妻と二人で水交デザインオフィスを立ちあげ。サイト企画からデザイン・HTMLコーディング・WordPressあたりまでを守備範囲として、関西中小企業のウェブサイトや各種のWordPressサイトを受託開発・管理している。
2010年12月、全国でもいち早くコワーキングスペース「JUSO Coworking」を立ち上げ。関西のクリエイターや子育て世代をはじめとする様々な立場・職業をもつ人々のハブとなるスペースとなる。

劇団出身?演劇活動と音楽活動に明け暮れ、独学で学んだことからスタート

最近ではWebクリエイターとよばれる職業も知名度があり、Webそのものが一般層に対して密接なものになっている。そのスキルを教える教育機関も増えてきた。しかし急速に成長した業界だけあって、いま一線で活躍している層はわりといろんな経歴を経てWeb制作者になっていたりする。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

さっそくですが、いまの深沢さんのWeb制作者になるまでの経緯ってどんな感じですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

Web制作者としては、2007年に会社にはいったのがキャリアのスタートです。それまでは劇団に所属していて、演劇とか音楽とかをやっていました。その間にも「ホームページ作ってよ」とかそういったお願いをうけて独学で勉強はしていました。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

劇団!!
たしかに、以前お聞きしたことがありました。そうなると「Web制作」自体は結構昔からだったんですね。劇団から会社員っていう転機はどういうきっかけだったんですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

結婚」ですね。やっぱりどっか就職しなきゃなと思って、Web制作会社に勤めることになりました。それが2007年ですね。それからいろいろあって2009年には独立することになりました。
フリーのWebデザイナーとしてこのビル(現:JUSO Coworking)でやりはじめることになります。

声の聞き取りやすいさ、立ち振舞の素敵さは演劇出身ゆえにだったのか…。もっと演劇について深掘りしておけばよかったと後悔している。

コワーキングスペース誕生

親族所有ビルの有効活用と個人事業主として業務のコラボ


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

独立当初から場所もしっかり用意したんですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

ビルが親族所有で、3代前から守ってきているビルなんです。管理事務所みたいなところで僕は机ひとつあればできる仕事なので、まずはそこでダメ元でやってみようとスタートしました。
その頃にはWebサイトの構築ができるっていう状態で、今度は家業としてスペースの商売となにかうまくつなげることができなかなって考えてました。シェアオフィスとかですね。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

それでこのJUSO Coworkingに繋がるわけですね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

そうですね。シェアオフィスも検討している中で、当時仲良くしているフリーランスの方とかいらっしゃったんですけど一人抜けたらまた一人探すのも大変だし、あんまりそれだと広がりがないなぁと。
それで「なんかいいのがないかなぁ」って思っていたところ、なにやら「コワーキングスペース」というのが東京にできたらしいぞって奥さんがtwitterでキャッチして、2010年の12月にJUSO Coworkingをオープンすることになります。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

すごい!2010年なんですね。国内にはまだ少なかったですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

当時日本には2つしかなかったんです。2010年の5月神戸にできたところ(カフーツさん)が初で、そのあと東京に1店舗(PAX Coworkingさん)できました。それに続く形でオープンしたので日本で3番目のコワーキングスペースということになります。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

え!そうなんですか!

深沢さんフリーランスWebデザイナー

今のスペースよりも小さいスタート(現ビルの3F)だったんですけど、「コワーキングスペース」自体目新しかったので注目いただいて、今にも繋がってます。
もちろん当時は1年後コワーキングスペースという言葉が存在するかもわからないような状態でしたから、現在300〜500あるといわれるようになったのは感慨深いですね。誰でも知ってる言葉とはいえないですが、「コワーキングスペース」という認知がWeb業界で得られているのは素晴らしいと思っています。


日本で3番目だから当たり前もなければ成功例もない状態

IMG_1782


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

でも3番目ってことは右も左も分からない状態だし、利用者もいるかどうかってわからないわけですよね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

まず先輩にあたるスペースにご挨拶にいって、どんな感じでやってるんですかって聞きに行きました。当時はやっぱり暇そうでしたね(笑)

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

いやー、そうですよね。当時そもそもそういう働き方が存在しないわけですもんね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

そうですそうです。なのでJUSO含め、そのあとできてくるコワーキングスペースとも横の連絡を取りながら、どんなことでもやってみたことを共有するっていう連絡会がありました。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

いまもコワーキングスペースのイメージとして、スペース運営同士が排他的じゃなくて仲良いイメージがあるんですが、そういうところからなんですかね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

そうだと思います。もちろんバックグラウンド(運営目的や運営母体)が違う場合もあるので、スペースごとに異なる文化はありますが、一般的に仲良くさせてもらってるところは多いですし、ノウハウの共有っていうのはやってます。例えばOffice 7Fの星野さんが、運営者勉強会を開催されています。
そういう文化はこれからも続けていきたいですね。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

あんまり利用者を奪い合うっていうイメージないですもんね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

たくさんのスペースを知ってもらいたいと思ってます。大阪で普段使ってくれてる方が出張先で使えるスペースをご紹介したりしますし、どこにいっても使えるコワーキングスペースのネットワークがあるということは利用者にとっての利便だと思ってます。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

そうですね。僕らも出張時にカフェで作業って長時間は落ち着かないですし、なによりそこに行っただけでネットワークが広がる(当日のランチも利用者の方とご一緒にさせていただきました)っていうのは高付加価値ですよね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

場所でも例えば車でも、今まで誰かが所有していたものをシェアするという価値が認められだしたのって、2011年ごろからの流れだったのかなと思っています。SNSの一般層への普及ですとか、当時の社会不安ですとか、いろいろな要因があると思うんですけど。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

たしかにあの当時、とくに職場に関しては無理に会社にいかず在宅でいいんじゃないかとか、「リモートワーク」っていう言葉もよく耳にするようになりましたね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

そうですね。しかもフリーの方だけでなく、企業さんの中にもそういう文化が広がりだしたのがちょうど2011年〜2012年のことだったと思います。シェアリング文化の広がりがあってコワーキングという考え方に注目する人が増えた、という面はあるのかもしれませんね。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

コワーキングスペースはもともと利用料とかそういう収益を目的として作ったんですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

それ自体が大きく儲かるものでもないと当時思っていて、現在運営方法等によって変わってきつつはありますが、基本的には家賃分はなんとか回せればいいっていうのがコワーキングスペース自体の収益に求めることですね。なのでコワーキングスペースをやっていることで得られる付加価値のほうがあるし、面白い仕事が入りやすい状態を自分で作れるのかなって思ってます。自分の好きなことを開催することもできますし、趣味という意味でも、平たく言えば飲み友達に困らないような状態ができてます(笑)

自分自身にとってお金以上の利益で、人と共有できる利益なので面白い」と深沢さんが語り、コワーキングスペース自体が深沢さんに生んでいる価値を伺えた。また、インタビュー前後で話すことができた利用者から話を聞いても同じようにJUSO Coworkingについての魅力として同様のことを話され、そしてその楽しさが伝わってきた。深沢さんのいう「人と共有できる利益」を感じたし、仲間内だけ盛り上がるわけでなく、初めて行った身としても疎外感をまったく感じなかった。

コワーキングスペースが仕事のハブになる

日本で3番目のオープンを果たし、コミュニティ化され、そして現在も拡張を続けているJUSO Coworkingはコワーキングスペースとして確立されているように思う。そのうえで当時描いていた理想と現状を聞くことが出来た。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

JUSO Coworkingの最近、そしてこの先だとどうですか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

最近思ってるのは、「雇用を生む」といえば大きいかもしれないですけど、利用者同士がお互いに助けあう中で小さな経済ができたり、楽しいことが共有できたりするスペースとして成長したいと思っています。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

雇用を生むっていうお話しでいえば、コワーキングスペースでマッチングが起きる例もありますか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

非常によくありますね。採用っていうのは稀だと思うので正確には「雇用」ではないですが、デザイナーさんがコーディング部分を他の方にお願いしたり、逆もしかりで、利用者同士で仕事を回すっていうのはあります。
いわゆるクラウドソーシングとは異なり、コワーキングスペースが積極的に仕事の斡旋をするような仕組みをつくりたいわけではないんですが、やっぱりその場で別々の仕事をしていてもみんな一緒に働いているから人柄スキルもわかるっていうのは大きいですよね。
例えば電話ひとつとっても、内容に耳すませてるではないですけど、どんな感じでお仕事をしているのかっていうのはなんとなくわかってきますよね。そういうのっていうのはオープン当時夢見ていたことだし、そういう仕組みがなんとなくできてきているっていうのは嬉しいことです。


「雇用を生む=採用」という狭義ではなく、フリーランスの形態のような「雇用=仕事」という枠で捉えると、すでに雇用を生んでいるJUSO Coworking。今後更に拡張していくにあたって採用という意味での雇用も考えているそう。

コワーキングスペースの先駆者としてアドバイスすることもある?

鹿児島でイベントスペースの運営を傍らでしている身として、先輩コワーキングスペースオーナー深沢さんにイロハを聞いてみることにした。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

地方こそコミュニティとかって狭いのでコワーキングスペースを利用したり、コミュニティの中であったりで仕事を回すのがすごいエコシステムだなぁって思ってるんですけど、やっぱり大阪に比べると圧倒的に利用者母数が少ないなと感じてます。そういう地方からアドバイスを求められてることってありますか?

深沢さんフリーランスWebデザイナー

まずスペース単体で収益をあげるのが目的であれば、私ではない方にアドバイスをもらうのがいいと思います(笑)
私がやってきたことでアドバイスができるといえば、コミュニティが好きで、かつその活動が本業にも繋がるというやり方です。本業に繋がる目処があったり、コミュニティをご自身ですでに持っているのであれば、アドバンテージだと思うので活かすべきだと思います。
その先は、地方それぞれにあるコミュニティに参加していただけるように働きかけたり、それらのコミュニティ同士でいかに交流をしてもらうかということを考えて、それが実現できる場所になれば、その地域における価値が生まれてくるのではないかと思います。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

たしかにコワーキングスペース自体がオープンであり、どんなコミュニティもイベント開催できるし、共同開催とかもできるって面白いですね。

深沢さんフリーランスWebデザイナー

そもそもコワーキングっていうのもコミュニティのひとつなんですけど、それを単一のコミュニティってみなすと閉鎖感がでてしまうんですね。なのですでに出来上がってるたくさんのコミュニティを集めてきて、そのコミュニティの中で細かく交流しあうことができれば、それらを包括したほわんとした大きなコミュニティができあがると思ってます。そういうコミュニティができると、流動性もあり新しい発見もあり非常に面白いと思ってます。
僕はWeb関係のコミュニティってなっちゃうんですけど、夫婦でやっている強みとして、奥さんがもつコミュニティ(子育てや家族に関するコミュニティ)を連れてきてくれる。それによってまた新しい空気がうまれて多様性に繋がってますね。

弊社でもコワーキングスペースをさくらインターネットに協賛いただいて運営しているが、たしかにコミュニティのクロスは非常に効果が高い。例を挙げるとさくらインターネットが発表したIoTプラットフォーム(α)においては既存コミュニティである「鹿児島組み込み協議会」と「さくらクラブ鹿児島」がコラボして勉強会を行った。ソフトウェアの人がハードウェアの組み込み技術に勝てることはないが、作るモノ自体はコラボした結果(いわゆる製品という形で)存在するにも関わらず、これまでの勉強会においては人の接点が少なく、理解も少なかった。あくまで一例ではあるが、「IoT」という言葉がビッグワードといわれる今日、今後そのようなクロスコミュニティ的な活動は求められると感じている。

まとめ

コワーキングスペースの誕生秘話など、コワーキングスペースに特化したお話となった前編ですが、お話を聞いているとコワーキングスペースもひとつのコミュニティであることが分かりました。
コワーキングスペースを作るということは、場所が付属した新たなコミュニティを作るということと認識するととても理解しやすく、現在の活動理由や原点が伺えます。さて、次回は更に深沢さんのフリーランス部分に注目してまとめたいと思います!

フォローして続編をチェック

@universionsをフォロー