【前編】社員40名中営業はゼロ!福岡の老舗web制作会社D-ZEROさんに継続の極意を聞いてみた。

営業はゼロ!? 老舗制作会社に聞く 継続の極意

「ナガタが気になる会社に会ってきたよ」シリーズです

鹿児島にて活動するナガタが、話したい人のところにいって色々ノウハウを聞いて回る全国行脚インタビューです。
毎回無駄話にも花を咲かせ、企画目的も雑にお伝えするのに皆さん優しく迎えてくれる、ナガタ愛されインタビューです。

第4弾は企業訪問! 福岡のweb制作会社「D-ZERO(ディーゼロ)」さん

D-ZERO(ディーゼロ)

第4弾は福岡!しかもオフィスを移転したばかりのおしゃれweb制作会社さんに訪問させていただきました。
企業訪問に自由奔放なナガタだけでは不安なので、お目付け役のツルダも同行することに。
ということで今回はインタビュアー・ナガタ+ツルダのレポートです。

ディーゼロさんってどんなとこ?

福岡の繁華街にも近く、穴場のお店も多い地区・薬院にオフィスを構える「D-ZERO(以下、ディーゼロ)」は、2000年に設立されたweb制作会社。福岡のクライアントを中心にweb制作を行っており、現在は40名ほどの社員が在籍している。
地方のweb制作会社のなかでは大きい規模の企業として、また長年福岡のweb制作の現状を見てこられたプロデューサーとして、ディーゼロの取締役・黒木洋道さんにお話を伺った。

地方では希少な中規模制作会社


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

まずオフィスがすごく綺麗で驚きました。ちゃんとしてるって言ったら失礼ですけど、規模が大きいなって思って。

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

ありがとうございます。オフィスは去年移転したばかりなんですよ。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

カフェみたいなおしゃれなスペースもありますね


カフェのようなオフィス

カフェ・ディーゼロの文字も


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

鹿児島だと多くても10名程度の制作会社さんが多いイメージなんですが、ディーゼロさんは社員さんが40名と結構人が多いですよね。福岡だとこのくらいが普通なんですか?

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

人数規模で言うと、福岡のweb制作会社ってだいたい2つに分かれていて、2〜3人とか多くて10人くらいのパターンと、あとは100人越えるくらいの規模の会社さんがあるんですが、100人超えてるところって大体クライアントが東京なんですよ。
ウチは40人くらいで福岡を中心に九州のクライアントが8割なので、そのくらいの規模っていうのは確かにいないですね。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

東京のクライアントさんがメインかと思ってましたが、地元のクライアントさんが多いんですね。
ただ東京と比べると案件の数は多少なり少ないですよね。しかもディーゼロさんの場合はもう16年くらいやってこられてるので、もう福岡回りきったなとか、東京の仕事に手を伸ばそうとか、そういう感じはないですか?

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

もちろん東京のクライアントもいらっしゃるんですけど、変わらず九州が中心です。
ウチの場合はお客様の課題解決をするっていうのが第一なので、距離が近いほうがやりやすいというのもあって。


営業マン不在!営業しなくても仕事が途切れないヒミツ

地元を中心としたweb制作というと、こまめな営業まわりなどがイメージされるが、意外にもディーゼロには営業という職種がない。40人以上の社員がいるということは、案件の数もそれなりに多いはず。
どうやって案件を受注しているのだろうか。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

びっくりしたんですけど、営業さんっていらっしゃらないんですね。

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

そうですね。弊社の職種で言うと、システムエンジニアデザイナー、あとはプランナーに分かれます。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

それで仕事ってどうやってとってるんですか?

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

元々は広告代理店からの案件が多かったんですよ。それで実績をサイトに載せたりしていたら徐々に問い合わせも増えてきて、今は代理店さん経由と直接問い合わせの半々くらいですね。

ディーゼロ・黒木洋道さん

直請けor代理店経由問題、企業のディーゼロはどう見る?

直請けと代理店(あるいは制作会社)経由の案件バランスについては、フリーランスの瀬口さん深沢さんへのインタビューでも話題に上がっている。

やはりメリット・デメリットの両方があり、代理店経由の仕事については「ただ作業をするだけになりがちなので、それは避けたい」「リスクがあってもお客様直接の課題を解決したい」というコメントも二人から共通して上がっていた。
ディーゼロは企業として代理店とどのように付き合っているのだろうか。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

代理店さんとの付き合いはかなり長いんですね。

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

そうですね。
私自身はディーゼロができて3年目くらいで入社したんですが、半年ディーゼロにいて、その後は大手広告代理店に5年くらい出向してたんです。そこで代理店からのwebの案件をディーゼロで作るということをしてました。


「Webの戦略」ではなく、「戦略の中のWeb」を考える

自ら広告代理店の中に入ってWebの案件を担当していたという黒木さん。
営業マンゼロという今のディーゼロのやり方も、ここに原点があるようだ。


黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

広告代理店は、webだけではなくてTVとか新聞とか、他のメディアも含めたプロジェクトとして案件をみるじゃないですか。
そうするとまず、webをどう作るかということよりも、戦略としてwebはどこに位置づけられるべきかを考えるんです。
お客様の課題はどこにあって、それを解決するためにWebをどう使えるか、ということですね。
今もそれは一番に考えていて、弊社のプランナーは営業をするのではなく、お客様の課題解決の提案をしています。

やはり「ただの作業者にならないようにする」というのはフリーランスでも企業でも一致している意見のようだ。
ディーゼロのプランナーは営業ではなく、案件に対して戦略を練り、クライアントと制作者の間で方針や進行を調整する役割とのこと。
ディーゼロの場合はこのプランナーという職種を設けることで、単純な下請けの域から脱し、広告代理店の持つ広い視点を自社の制作にも上手く取り入れている。


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

依頼されたものを作ると言うよりは提案からなんですね

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

そうですね。
お客様の課題解決を一番に考えているので、極端なことをいうと、お客様からの依頼をお受けしないこともあります
あきらかにwebを見る機会が少ないターゲットばかりなのに「ホームページを作りたい」と言ってこられるお客様には、「webじゃなくて、別なメディアを使ったほうがいいと思います」って言ったりして。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

web制作会社なのにweb制作をお断りしちゃうんですね!でもそれってお客様にはありがたい話ですね

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

お客様の問題解決というところで言えば、例えば新しい技術に対してもクライアントさんに役に立つかどうかが大事だと思っています。
東京だと新しい技術が急に来て、みんながわーっとそれをやるという感じですけど、今の時代でも実は九州にその流れが来るのは1〜2年後なんですよね。それを把握だけはしておいて、お客様に必要だったら取り入れるし、逆をいえば古い技術でもお客様の役に立つのであれば使ったほうがいいと思ってます。

ディーゼロ・黒木洋道さん

やたらにトレンドを追うのではなく、ある種どっしりと構えたその姿勢は、クライアントの状況や課題をしっかり把握しているからこそ持てる余裕の現れなのだろう。

堅い企業はこう攻めろ!少人数で大きな案件をこなすには

創業から16年になるディーゼロのクライアントには地元の大学や銀行などもある。
それらは往々にして、大きいぶん制約も多い客先であり、今までは大手のSIerが担ってきた分野でもある。
中規模の制作会社でこれらの案件をどのように対応しているのだろうか。

実績:ディーゼロコーポレートサイトより


ナガタUNIMALとUNITOPIの人

サイトに掲載されている実績を見ると九大さんとか福銀(福岡銀行)さんとか、大きな所も多いですよね。こういうところの仕事を受けるコツってあるんですか?
特に営業さんがいないと打ち合わせだけでも大変かなと思うんですが

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

今までの実績に関しては、広告代理店さんを通してくるクライアントさんがビッグネームだということもありますね。
打ち合わせに関しては、できるだけ効率よくやれるように工夫しています。
例えばデザインなんかは綿密に打ち合わせしてガチッと作るよりは、最初からほぼほぼ完璧なものを持って行ってOKをもらうとか。
特に銀行さんなんかは法律面でのチェックが必要になるので、一回あたりの先方の確認期間に結構時間がかかるんですよ。
なのでチェックの回数を減らせるように工夫してます。
あと専門家のチェック自体を先方の担当者さんが知らないこともあるので、先回りして言ってあげたりとかしてますね。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

法律面でのチェックがあるとか、慣れてないとわからないですよね。他にも独自の制約があったりして難しくないですか?

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

やっぱりそういう制約はやってみないとわからないです。
ただ、ウチはいろんな業界の仕事をやるので上下左右の(ノウハウの)幅が広いんですよね。
銀行さんもインターネットバンキングへの入口は絶対に確保しておかないといけないので、そういうところは気をつけてフォローしています。
で、1件やったらそれを次の似たような案件に生かす、という感じで。

ナガタUNIMALとUNITOPIの人

今までの知見が活かされてますね。そういう情報って社内ではどういうふうに共有してるんですか?

黒木さんD-ZERO取締役/プロデューサー

毎週、全社員が集まって勉強会をやってます。
プランナーの話をデザイナーも聴くし、デザイナーの話をプランナーが聞いたりもします。
こうやって社内のノウハウを常に共有しています。他にもプランナーの部署での定期的なディスカッションも役立ってると思います。
今やっている案件の進捗報告や社内レビューをお互いに話すんですが、その時に「前にやった案件ではこういうのもあったよ」とか情報交換してますね。

前篇のまとめ

福岡でも珍しい中規模制作会社のディーゼロさん。
今回のインタビューでは黒木さんから「お客様の課題解決」という言葉がたびたび出ていたのが印象的でした。
営業ゼロでもやっていけるのは、そうしたクライアントに対する真摯な姿勢が評価されてのことなのだと思います。
広告代理店との関係にしても、単なる下請けになるのではなく、対等に考えられるパートナー関係を築いていている点が継続のポイントになっているように感じました。

次回は、そんなディーゼロさんに、地方の制作会社の共通の悩み「人材の育成」について聞いてみました!

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